中途採用の拡大、および首都圏からの移住者の雇い入れなどを目的に運用されている中途採用等支援助成金。中途求職者と企業とのマッチングを積極的に支援することで、人材移動の促進や生涯現役社会の実現を目指す制度です。当ページでは、中途採用等支援助成金の概要や申請条件、補助金額、補助・助成対象、申請の流れについてご紹介しています。
※中途採用支援助成金には、「中途採用拡大コース」と「UIJターンコース」の2種類がありますが、当ページではニーズの高い「中途採用拡大コース」に基づいて解説します。なお、かつて存在した「生涯現役起業支援コース」は令和4年3月31日をもって廃止になりました。
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)は、中途採用者の雇用管理制度を整備して採用拡大を図る事業主に対し、そのための活用に要した費用の一部を助成する制度。中途採用の機会を増やし、人材移動の促進や生涯現役社会の実現、自由な働き方のできる社会の実現などを目的として、厚生労働省が提供している助成金制度です。
助成を受けるためには多くの要件をすべて満たす必要がありますが、申請要件を満たして審査を通過した事業主に対しては、最高100万円の助成金が支給されます。
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)を受給できる主な要件を見てみましょう。
以下「1」の全てに該当する労働者を中途採用すること、および「2」「3」のすべての措置をとることが受給の要件となります(厚生労働省の資料を一部引用・編集・省略)。
(1)申請事業主に中途採用により雇い入れられた。
(2)雇用保険の一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れられた。
(3)無期雇用契約労働者(パートタイムを除く)として雇い入れられた。
(4)雇入れ日の前日から1年前までに、雇用関係・出向・派遣・請負・委任により当該事業主の事業所で就労したことがない。
(5)雇入れ日の前日から1年前までに、申請事業主と密接な関係にある事業主に雇用されていない。
(6)雇入れ時の年齢が45歳以上である(「45歳以上の中途採用率拡大」の場合のみ)。
(1)中途採用者の雇用管理制度(募集・採用を除く労働時間・休日、雇用契約期間、評価・処遇制度、福利厚生など)の整備。
(2)中途採用の拡大に取り組む期間(1年間)。
(1)中途採用計画期間中に対象労働者を2人以上雇い入れること。
(2)中途採用計画期間中の中途採用率について、計画期間前3年間に対して20ポイント以上向上させること。
(3)中途採用計画期間中の45歳以上の中途採用率について、計画期間前3年間と比較して10ポイント以上向上させること(「45歳以上の中途採用率拡大」の場合のみ)。
(4)45歳以上の対象労働者全員について、以前の事業所で支払われていた給与と比較し、雇い入れ後6か月間の都度給与をいずれも5%以上上昇させること(「45歳以上の中途採用率の拡大」のみ)。
参照:厚生労働省|中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の助成金額について、厚生労働省の資料を基に「中途採用率の拡大」と「45歳以上の中途採用の拡大」に分けて見てみましょう。
中途採用率を20ポイント以上上昇させた事業者が対象となる助成金です。
①中途採用率を20ポイント以上上昇させること、②うち45歳以上の労働者で10ポイント以上を上昇させること、③当該45歳以上の中途採用者の賃金を前職と比べて5%以上上昇させること、の全てを満たした事業者が対象となる助成金です。
引用:厚生労働省|中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の申請の流れは次の通りです。
労働局やハローワーク、または厚生労働省のWebサイトから入手した書類に必要事項を記入し、添付書類を添えて労働局またはハローワークへ提出します。
中途採用計画に基づき、中途採用者の雇用に関連する社内制度を整備します。
中途採用計画に基づいた中途採用労働者を雇用します。
助成金の申請書類を作成し、管轄の労働局かハローワークへ提出します。
労働局での審査を経て適正と判断されれば、事業主へ助成金が支給されます。
中途採用等支援助成金の申請条件や補助金額、補助・助成対象、申請の流れなどについて解説しました。
業界を問わず人材不足が深刻化する現代ですが、とりわけ介護業界での人材不足は慢性化しています。新卒者の雇用だけでは間に合わない現状、積極的に中途採用を進めなければなりません。
中途採用等支援助成金の制度趣旨を確認の上、要件を満たしている場合には忘れずに申請手続きを行いましょう。
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