「在留資格」と「ビザ」の違いがわからない、と感じている方もいるのではないでしょうか。そこでこちらのページはビザと在留資格の違いと介護のビザに関する情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「ビザ」は、日本に入国する前に出される推薦書を指します。日本に入国する予定の外国人に対して、海外にある日本大使館や領事館が発行します。対して「在留資格」とは、外国人が日本に滞在するための「許可」を指します。入国管理局により審査が行われ、在留資格が許可された外国人のみが日本に滞在できます。
一般的には、まず出入国在留管理庁にて審査が行われ、在留資格認定証明書が交付されます。その後、在外日本公館にて在留資格証明書を提示してビザの申請を行うことにより、在外日本公館にてビザが発給される流れになります。
この時、出入国在留管理庁にて行われる審査は、在留資格によって異なります。
ここからは、在留資格「介護」のビザ取得について解説していきます。
在留資格「介護」とは、2017年9月に創設されたもので、介護福祉士の国家資格を持つ外国人が取得できる在留資格を指します。高い専門性を持った外国人労働者を受け入れることを目的とした制度です。
期間 | 最長5年 |
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更新 | 更新回数制限なし |
家族帯同 | 可能 |
永住権 | 介護ビザにて5年働き、かつ10年以上日本に滞在した場合には永住権の取得(申請)が可能 |
介護ビザを取得するためには、大きく分けて4つの要件があります。
まず「介護福祉士の国家資格を取得する」必要があります。そして、ビザの取得時または養成学校に入学する際に、「日本語能力試験N2相当の日本語力」を身につけておくことが求められます。この日本語能力は日常的な会話や業務上のコミュニケーションを行う上で必要となりますが、「N2相当」とは新聞・テレビのニュースを理解できる程度の日本語力となっています。
そのほか、「日本の介護施設との雇用契約」を結ぶこと(介護に関する業務への従事が必要)」、同施設において「日本人と同等以上の報酬を受けること」が求められます。
ビザを取得する流れには、「養成施設ルート」と「実務経験ルート」の2種類があります。
「養成施設ルート」の場合は、日本にある介護福祉士養成校に通います。留学生として日本に入国した後、2年以上養成施設で学んだ上で介護福祉士国家試験に合格すると介護ビザの取得が可能となります。
また、「実務経験ルート」の場合は、特定技能や技能実習生として入国して、実務経験を積んでから在留資格を変更するという流れになります。この場合には、介護施設などで実務経験を3年以上積み、介護福祉士国家試験に合格することが必要です。
「特定活動(EPA)」は、インドネシア・フィリピン・ベトナムで看護や介護について学んだ人が、OJTで学びながら介護福祉士の資格取得を目指すための制度です。在留期間は4年間となっており、その期間に介護福祉士の資格を取得できた場合には在留資格「介護」への変更が可能です。また、介護福祉士の資格取得後は家族の帯同も認められています。
「特定技能制度」とは、深刻化する人手不足を解消するために創設された制度であり、人材確保が難しい分野に限り一定の専門性や技能を持つ人材を受け入れられます。在留資格は最長5年となっており、特定技能1号の場合は基本的に家族の帯同は認められていません(特定技能2号は家族の帯同が可能ですが、介護分野の特定技能では2号が設けられていません)。
「技能実習制度」は、開発途上国において経済発展を担うための人材を育成するために創設された制度となっています。3つの区分があり、在留期間は技能実習1号が1年間、2号が2年間、3号が2年間となっていますが、技能検定試験に合格すると1号から2号といったように資格の移行が行われ、在留期間を更新できます(最長5年)。また、技能実習の場合には家族の帯同は認められていません。
在留資格「介護」のビザ取得に関してご紹介してきました。非常に高度な日本語能力が求められるなど取得までの道のりは簡単ではない面もありますが、取得することにより最終的には日本での永住ビザ取得も視野に入ってくるため、長期的に日本滞在をしたいと考えている場合にはおすすめのビザであるといえるでしょう。