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介護人材不足の原因と対策

かねてから問題とされ、国の各種サポートを受けてもなお深刻な状況が続いている介護業界の人材不足。団塊世代の次には、また人口の多い団塊ジュニア世代が高齢化するため、少子化の中で介護職員を十分に確保することは容易ではありません。

ここでは、介護業界における人手不足の現状・原因、および有効な人材確保対策について解説しています。

介護業界における人手不足の現状

引用元:【pdf】厚生労働省/第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/001274765.pdf

2022年度の介護職員数は約215万人ですが、2026年度に必要とされている介護職員数は240万人。約25万人の不足となることが予想されています。2040年度には272万人の介護職員が必要と予想されており、約57万人の人手不足が起きるおそれがあります。介護人材の確保は、深刻な課題です。

介護業界における人手不足の原因

介護業界における人材不足の主な原因は、「少子高齢化」「介護職員の離職」「困難な新規作用」の3点です。それぞれの状況を見てみましょう。

少子高齢化

人手不足の最大の原因とも言われているのが少子高齢化です。介護とは異なる業界でも人手不足は問題となっていますが、働けない高齢者が増えて働ける若年者が減っている以上、少子高齢化を原因とした人手不足は避けられません。

介護現場は、その働けない高齢者をケアする現場ですので、他の業界にも増して人手不足が深刻です。

介護職員の離職

介護職員として就職したものの、仕事のハードさに見合わない低賃金、職員同士での人間関係などを理由に、離職して他業種へ転じる職員も少なくありません。高い離職率は、介護業界の人手不足の主要な要因の一つです。

困難な新規採用

仕事面や給与面を中心に、一部では介護職に対するネガティブなイメージが広がっている感も否めず、求人をかけても人材が集まりにくい状況が続いています。この点も業界の人手不足の大きな要因の一つになっているでしょう。

介護人材確保に向けた国の取組

介護人材の確保のために、厚労省が主体となって各種施策を講じています。ここでは、その取り組みを紹介します。

介護に関する入門的研修

介護未経験者が介護人材として活躍できるよう、入門的な研修を用意しています。介護未経験者の参入を促進し、介護分野への不安を払拭することが目的です。この研修は基本的な内容で構成され、受講に特別な要件はなく、誰でも参加できます。研修は基礎講座と入門講座からなり、修了後は証明書が発行されます。受講者は通所・居住・施設系サービスの介護職員として従事可能となり、一部の研修では訪問介護員としても働けます。

人材育成等に取り組む介護事業者の認証評価制度

人材育成等に取り組む介護事業者の認証評価制度は、介護事業者の人材育成や就労環境改善の取り組みを都道府県が評価し、一定水準を満たした事業者に認証を付与する仕組みです。この制度は、介護業界全体のレベルアップとボトムアップを推進し、介護職への参入促進や離職防止、定着を図ることを目的としています。評価項目に含まれるのは、労働環境・処遇の改善、新規採用者の育成体制、キャリアパスと人材育成などです。介護業界のイメージアップや人材確保・育成の促進が期待されます。

介護現場における多様な働き方導入モデル事業

「介護現場における多様な働き方導入モデル事業」は、介護業界の人材不足に対応するため、多様な働き方を導入するモデルケースを作成する取り組みです。具体的には、介護助手や他業種からの新規参入者を受け入れ、リーダー的介護職員の育成や朝夕のみ、夜間のみ、季節限定勤務などの柔軟な勤務形態を導入します。効率的・効果的な事業運営を実現し、介護職員の不安を軽減し、介護人材の定着と利用者の満足度向上を目指しています。

介護の仕事の魅力発信などによる普及啓発

介護の仕事の魅力などを発信し、普及活動をおこなっています。たとえば、「いい日、いい日、毎日あったか介護ありがとう」をスローガンに掲げ、11月11日を介護の日として、高齢者や障がい者等に対する介護への啓発を重点的に行う日として設定。その前後2週間である11月4日から11月17日を「福祉人材確保重点期間」として福祉介護サービスの意義の理解を一層深めるための普及啓発に取り組んでいます。また、小・中・高校生等若者向けに福祉・介護の仕事のパンフレットを作成。テレビやSNSなどを通して全国に向けた情報発信にも取り組んでいます。

介護人材確保地域戦略会議

介護人材確保地域戦略会議は、質の高い介護人材の安定的な確保を目的として厚生労働省が開催している会議です。地域ごとの課題に対応するため、都道府県や都道府県福祉人材センターをはじめとする地域の関係主体が高い意識と同じ方向感をもつことが会議の目的のひとつです。各都道府県における独自性の高い取り組みや先進的な事例も共有しています。2014年から定期的に開催されており、最新の課題や取り組みについて継続的に議論されています。この会議を通じて、都道府県や関係機関が連携し、実効性の高い介護人材確保対策を進めることが期待されています。

施設ができる人材確保・人手不足解消方法

外国人介護人材の受け入れ

人手不足の解消に即効性がある選択が外国人介護人材の受け入れです。現実的な対策として、国も特に注目している施策で、EPAや技能実習制度、特定技能などの制度を通じて推進されています。現在、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマーなどの東南アジア諸国から多くの外国人介護士が日本の介護現場で活躍しています。

DX推進

介護の人材不足対策に有効な方法が、介護以外の業務を削減することです。現在は介護の業務に加えて、業務に関連する書類仕事なども介護職員が行っています。介護職員が被介護者のサポートに集中して、余計な業務に時間をかけることがなくなれば、必要な人手の数も減ります。そこで必須となるのがDX推進です。ITツールを導入すれば、コア業務以外の業務工程を削減できます。タブレットなどの導入の他、支援ロボットも開発されています。介護職の負担が軽減すれば、新しい人材も集まりやすくなるかもしれません。

労働環境・待遇の改善

介護人材が不足している原因のひとつが、介護職に対するネガティブなイメージです。ハードが業務の割に給料が低いという状況が改善されれば、介護職を志す人も増えるでしょう。給料の改善はもちろん、柔軟な働き方を取り入れ、休暇を取得しやすくするなどの取り組みによって、離職率を改善し、新しい人材の確保が期待できます。

現場の声から分かる
外国人介護士 活躍までの道のり

人材不足解消のキーワードは外国人介護人材

2025年度には約30万人程度が不足すると予想されている介護業界。介護人材の不足は、喫緊の課題となっています。そこで注目したいのが、外国人介護人材の受け入れです。国もEPAや技能実習制度などの制度を設け、外国人介護人材の受け入れに力をいれています。

このサイトは外国人介護人材の受け入れ・戦力化についてのメディアです。人材不足を解消する選択肢として、参考にしてください。

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