外国人材を雇用する際、就労許可の確認や届け出などで様々な法律の規制を受けます。そのため、外国人材の雇用に関しては法律を押さえておく必要があります。ここでは、外国人材の雇用の法律や規制についてを解説。外国人材の雇用を検討している方は参考にしてください。
外国人材の雇用にあたり、就労が認められているかを確認する必要があります。短期滞在や研修など就労が認められていない在留資格の外国人材は、来日や国内の滞在は認められていますが、就労は認められていません。仮に就労した場合、不法就労として強制退去となります。また、働いた外国人材だけではなく雇用した事業主や外国人材をあっせんした者も同様に、入管法第73条の2により3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となります。
下記の18種類の在留資格に関しては、就労が認められています。
就労が認められていない在留資格が下記です。
上記の在留資格の外国人が就労する場合、地方入国管理局にて資格外活動の許可を得なければなりません。資格外活動の許可を獲得できた場合、原則として1週間28時間までの就労が可能です。留学の場合、留学先学習・教育機関が夏休み等の長期休業となった場合、1日8時間まで就労可能です。
一方、下記は就労に制限がありません。
外国人材を雇用する場合、これらは必ず把握しておかなければなりません。
外国人材の就労の安定を目指して生まれた法律です。
外国人の就労支援・安定雇用確保、外国人指針に基づく雇用管理改善指導、外国人雇用状況届出制度の厳格な履行、専門的・技術的分野の外国人の就業促進対策等の各種対策が盛り込まれたもので、外国人専門の相談員、通訳、外国人出張行政相談コーナーを設置するなど、外国人材が働きやすい環境を用意しています。
雇用対策法は外国人材が働きやすい環境を作ることが目的です。そのため、外国人材を雇っている事業主は下記の届出が必須です。
届出は電子申請でも可能です。
また、国・地方公共団体に関しては下記の通知が必要です。
外国人雇用状況の届出に関しては、外国人材に在留カードかパスポートを提示してもらい、届出事項を確認して正確な情報にて届け出ることが大切です。
外国人材に関わらず、雇用に関わる法律もいくつかあります。雇用主はこれらの法律も必ず覚えておきましょう。
労働者の権利を守るための法律で、労働条件や雇用者の義務、違反した場合の罰則が定められています。いわば人を雇う際の最低限のルールが定められており、必ず守らなければなりません。また、労働基準法は日本人・外国人材を問いません。国籍を問わず、「労働者」の権利を守るための法律です。
人を雇う際、必ず法律で定められている最低賃金以上の賃金を支払わなければならない法律です。仮に当事者同士で合意したとしても、最低賃金以下で働くことは違法です。最低賃金は地域によって異なります。そのため、雇用者は事務所・労働場所の最低賃金を確認しましょう。最低賃金に関してもまた、国籍は関係ありません。日本人でも外国人でも、地域で定められている最低賃金以上の賃金で雇用しなければなりません。
職場における労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成促進を目的にした法律で、「労働災害の防止のための危害防止基準の確立」、「責任体制の明確化」、「自主的活動の促進の措置」が定められています。職場の安全・衛生を確保するためのスタッフの配置、作業内容が定められています。
機械や設備、爆発物、電気や採石、ガスや粉じんなどの危険・障害から従業員を守るためのもので、さらには労働者に対しての安全衛生教育を行うことも定められています。
「労災」とも略されている制度で、労働者の業務上、あるいは通勤中の商病棟への必要な保険給付と社会復帰促進、さらには原則として事業主がその費用を負担することを定めた法律です。労働者災害補償保険法では、原則として一人でも労働者を使用するのであれば適用されます。
加入対象となる労働者を必ず雇用保険に加入させることを定めた法律です。会社の事業規模・業種を問わず、事業主・雇用主は従業員がいる場合、必ず雇用保険に加入させなければなりません。ハローワークに届出を行い、雇用保険料の納付や届出を行います。こちらに関しても国籍の区別はありませんので、外国人材を雇う場合には意識しておくべき法律となります。
外国人材を雇用するにあたって意識しておくべき法律を紹介しました。法律は規制的な側面もあるため、雇用主にとっては面倒に思うかもしれません。しかし法律として定められているので遵守する必要があります。「知らなかった」では済まされないためよくよく注意してください。