介護現場での人手不足の解消策として、近年、外国人を雇用する動きが広がっています。
外国人を雇用することで助成金を受けられる可能性もありますが、外国人を雇えば必ず支給されるものではありません。一定の条件を満たした場合に申請できる助成金として、外国人雇用が関係するケースもある、という点を理解しておきましょう。
本記事では、外国人雇用をめぐる助成金や制度の活用について詳しく解説しています。
助成金と補助金。いずれも国や自治体が事業者を支援する制度ですが、仕組みに明確な違いがあります。
助成金とは、雇用や人材育成などを対象に、一定の条件を満たせば原則として支給される「要件型」の制度。対して補助金とは、新規事業や設備投資などの政策目的に沿った計画を提出し、かつ審査を経て採択された場合に限り支給される「競争型」の制度となります。
助成金は比較的利用しやすい制度、補助金は採択率に左右されるやや難度の高い制度、とイメージできるでしょう。
雇用調整助成金とは、景気の悪化や経営環境の変化により従業員を休業させた事業者、または、同様の理由により従業員への教育訓練を実施する事業者を支援する制度。対象は日本人だけでなく外国人労働者も含まれ、雇用を維持するための取り組み全般が助成対象となります。
支給額は休業手当や賃金の一部を補填する形で設定され、支給上限も設けられています。
雇用を守ることが経営課題となりやすい介護事業者にとって、安定した人材維持につながる有効な制度といえるでしょう。
トライアル雇用助成金とは、職務経験の少ない人材を試行的に雇用し、適性や能力を確認したい事業者を支援する制度。外国人労働者も対象となり、原則3か月間の雇用を経て継続雇用を行った場合に助成金が支給されます。
助成額は1人あたり月額最大4万円。新しい人材の受け入れに不安を感じる介護事業者にとって、採用リスクを抑えながら人材の可能性を広げられる有効な支援策といえます。
人材確保等支援助成金の中にある外国人労働者就労環境整備助成コースとは、外国人が安心して働ける環境を整備する取り組みを支援する制度。具体的には、研修体制の充実、マニュアルの多言語化、通訳の配置などが助成対象となります。
助成額は、実際に要した費用の一部。外国人雇用における受け入れ基盤を整えたい介護事業者にとって、ぜひ活用したい助成制度です。
キャリアアップ助成金とは、有期契約労働者やパート社員を正社員へ転換する取り組みを支援する制度。外国人労働者も対象となるため、従業員の待遇改善や事業所の雇用の安定には有効な助成です。支給額は1人あたり数十万円規模となる場合もあります。
介護現場で重要となる人材の長期定着に直結するため、経営者にとっては無視できない制度となるでしょう。
人材開発支援助成金とは、従業員の職業訓練やスキルアップを推進する事業者を支援する制度。外国人労働者を対象とした研修や資格取得の支援も含まれています。
助成内容は研修経費や賃金助成の一部補填。コースによって金額が異なります。
介護現場においては、外国人スタッフの戦力化を図るための有効な支援制度となるでしょう。
特定求職者雇用開発助成金とは、就職が困難な人材を新たに雇い入れた企業に支給される制度。高齢者や障がい者のほか、外国人も対象となる場合があります。一定期間の継続雇用などを条件に助成が行われるシステムです。
助成額は対象者や雇用形態によって異なりますが、最大で数十万円規模。介護人材の確保に有効であることに加え、社会的にも意義のある大事な制度です。
製造業外国人従業員受入事業とは、製造業分野で外国人材を受け入れる企業を対象とした支援制度。受入体制の整備や教育研修への助成などが用意され、外国人が円滑に就労できる環境づくりを支援します。
外国人の多様な労働力を活用し、生産性向上へとつなげられる制度です。
外国人雇用管理アドバイザー制度とは、外国人雇用の知識や経験を持つ専門家が企業を支援する制度。在留資格や労務管理、文化的な配慮まで幅広く相談することが可能です。
外国人雇用による想定外のトラブルに不安を感じる事業者にとって、大変頼もしい制度になるでしょう。
国際化促進インターンシップ事業とは、留学生などの外国人に対し、実習を通じて国際的な人材を育成する事業。外国人にとっては実務経験を積める点がメリット、受け入れた企業にとっては異文化理解や国際感覚を磨ける点がメリットになります。
事業を通じ、将来的な外国人採用だけではなく、海外への事業展開にも結びつく可能性が生まれます。
ご紹介したように、介護施設における外国人雇用に関連した助成・支援制度は、多く用意されています。ただし、いずれも「外国人を雇用するだけ」で得られる助成・支援ではなく、外国人を雇用した上で一定の条件を満たさなければ得られない助成・支援であることを、改めて理解しておきましょう。
以下のページでは、外国人介護士を採用するメリットを詳しくご紹介しています。採用をお考えの経営者の方は、ぜひ参考にしてください。