外国人介護福祉士に活躍してもらうためには周囲の理解と協力が必要不可欠です。ひとりひとりができることを把握し、いきいきと働ける職場づくりを目指しましょう。ここでは、外国人介護福祉士のモチベーション維持に欠かせない3つの支援を解説します。
日本人職員の理解と協力なしには、外国人介護福祉士がスムーズに仕事をこなすことはできません。事前に受け入れ目的を共有し、日本人職員への研修やオリエンテーションを行うのも有効です。
職員ごとに業務の進め方や考えが異なると、外国人介護福祉士に限らず指導される側は戸惑います。採用前に業務の標準化を行い、疑問や不安を取り除ける体制を整えておきましょう。また現場で使われる介護の専門用語や施設独自の用語は、外国人介護福祉士には理解しづらいものです。言葉の使い方を見直しておくとよいでしょう。
日本で働く上で必要な、あいさつや報告・連絡・相談などの基本ルールを伝えておく必要があります。日本では常識であっても、そうではない国もあるからです。利用者の生活を支える介護という職業では、日本の生活やルールを知っていることは大切です。
日本と外国では文化や習慣、信仰している宗教などさまざまな違いがあります。信仰の関係から、食事や礼拝などに配慮が必要になるかもしれません。
日本人職員には異文化の理解を深める研修を実施したり、外国人介護福祉士には礼拝等を休憩時間に行うなどのルールを決めたりするとよいでしょう。互いに尊重しあうことが大切です。
採用した外国人介護士に制限なく働いてもらうためには、介護福祉士資格の取得が必要です。しかし、独学で合格を目指すのは難易度が高いのも事実。ここでは、介護福祉士試験対策がある日本語教育プログラムを、長期で腰を据えて学ぶ通期講座と、短期で集中して対策を行うスポット講座別に紹介しています。施設で働く外国人スタッフの状況に合わせて選んでみてください。
外国人介護福祉士が安心して生活できるよう、住居の確保や家具家電などの生活必需品をそろえましょう。電気、ガス、水道のライフラインや携帯電話の契約、インターネット環境を整えることも必要です。
行政手続は外国人にとってとくに難易度が高いタスクです。ビザや住民登録、健康保険など、必要な手続きに付き添ってサポートしましょう。そのほか、病気や怪我をした際に病院で症状を的確に伝えられないケースもあります。こちらも付き添いなどの細かいサポートが必要です。
食事や買い物の仕方、トイレやお風呂の使い方、公共交通機関の利用方法、病院のかかり方など、日本人にとって当たり前なことであっても、外国人は戸惑う可能性があります。日本で生活する上で知っておくべきマナーやルールを教えましょう。
慣れない土地での生活と就労により、ストレスで心身に不調をきたす外国人もいます。定期的な健康チェックが必要です。こまめな声かけで状況を確認し、手厚いサポートを行いましょう。
介護施設によっては地域との関係づくりのためにイベントを開催したり、地域の行事に職員が参加したりすることもあります。そういった機会を活用し、外国人介護福祉士が地域に馴染めるようサポートしましょう。
施設側のイベントでは、外国人介護福祉士の母国の食や文化などに関する催しにすると、地域住民に興味や関心を持ってもらうよい機会になります。
外国人介護福祉士によっては、母国から家族とともに日本に来ている人もいます。家族も不慣れな土地で、さまざまな不安や悩みを抱えている可能性があります。
外国人介護福祉士が安心して働くためには、本人だけでなく家族へのサポートも必要不可欠です。家族の日本語やコミュニケーション支援、心身のケア、子どもの保育および教育の支援を行いましょう。