2025年7月に発表された調査によれば、外国人が感じる日本が労働環境で改善すべきポイントの1位はワークライフバランスへのサポートとなっています。働き方や給料、生活の向上はモチベーションアップにもつながるので、ワークライフサポートを充実させることが外国人労働者の定着率アップに欠かせません。ここでは、外国人材が重視しているワークライフサポートについて解説します。
参照元:外国人材の日本での仕事観とキャリアに関する実態調査2025 vol.1│ヒューマンホールディングス(https://www.athuman.com/news/2025/23860/)
外国人材が日本国内で働くためには就労ビザが必要です。また、家族を呼ぶにあたっては家族のビザも必要となりますが、取得にあたり用意しなければならない書類が多くあります。そうした書類を用意することも外国人にとってはハードルが高いです。
ビザが取得できなければ不法滞在になりかねません。必ず用意しなければならないものでありながら、取得作業が難しいことに頭を抱え、サポートを求めている外国人は珍しくありません。
働くためには住まいを確保する必要がありますが、異国の地で住居を確保することは、外国人にとってハードルが高いです。
どこで家を借りればいいのか、日本の不動産事情もわからず、外国人に家を貸さないという不動産業者やオーナーがいる等、 外国人が家を借りようとするだけでも、土地勘がない、資金がない、言葉の壁がある、など住まいを借りるためにも障壁が多く、サポートを求めている外国人は多いです。
住まいの確保に伴う生活インフラの整備にもサポートが必要です。住まいを確保した後、水道、ガス、電気は個別に申し込むため、やはり外国人にとってはハードルが高くなると言えます。申し込みの際に何が必要になるのか、さらに申し込みに必要な書類をどのように用意すればいいのかなどは、外国人にとっては難しいことが多いためです。
働いたお給料の振り込み先としてはもちろんですが、家賃や水道光熱費の引き落としなど、お金のやり取りには銀行口座が不可欠です。しかし、近年はマネーロンダリング対策の影響で、国籍を問わず銀行口座の新規開設が難しくなっています。
用意しなければならない書類が多い上、銀行口座が開設できなければ、すべてを自身で振り込まなければならなくなるなど、不便を強いられることになります。とくに家賃の引き落としに関しては、銀行口座が必須の物件もあり、銀行口座がなければ住まい探しにも影響を及ぼします。
生活必需品であるスマートフォンなどの通信機器やインターネット環境の申し込みも、外国人にとってはハードルが高いです。
必要な書類を揃えるところから、ネット環境を整える必要がある場合、工事日の調整などで業者と電話でのやりとりが発生することもあります。まだまだ日本語に不慣れだと、それだけでも大きな負担です。契約事項等の細かい説明に対し、サポートを求めている外国人は多いです。
日本での生活にあたっては、役所で様々な手続きを行う必要があります。転入届だけではなく、国民健康保険や国民年金の手続きも行わなければならず、さらに役所の中でそれぞれ対応窓口が異なります。
どの窓口で、どのように手続きを行うのかは、日本人であってもサポートが必要な人が多いでしょう。まして外国人からすれば、さらに難しさが上がります。
日本での生活において、各種保険も不可欠です。加入しておいた方が良い保険がいくつかあり、保険に加入することで生活の根底に安心をもたらすことができるにもかかわらず、加入するために必要な書類が多くあります。
「保険に入りたいけど、同じような保険があるので条件を細かく比較したい」といった場合も、簡単に比較することは困難なため、やはりこちらもサポートを求めている外国人が多いです。
生活のために整えなければならないことはたくさんありますが、生活そのものが外国人にとっては慣れないことの連続です。
言葉はもちろんですが、文化・風習・常識・慣習の異なる生活は、すぐに慣れるものではありません。手続きだけではなく、普段の日常生活においても心配りが必要です。
高度外国人材に対しての職業相談・紹介だけではなく、外国人材を雇う側に対しての雇用管理の指導・援助を行う機関です。
また、外国人留学生向けに就職ガイダンス、インターンシッププログラムの提供、就職面接会の実施などの支援を行っています。東京、名古屋、大阪、福岡の4か所にそれぞれ設置されています。
参照元:厚生労働省「外国人雇用サービスセンター一覧」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12638.html)
外国人材の雇用管理の改善について相談できる制度です。外国人材を雇うにあたって何に気を付けるべきかや、すでに雇用しているけれど現在の方法で問題がないか、日本語に慣れていない外国人材への教育などを相談できます。
さらには労働契約や福利厚生、退職時の注意点などを、厚生労働省が定める「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」を基に総合的なアドバイスを実施。要望があれば全国各地のハローワークへアドバイザーを派遣してくれることから、比較的アドバイスを受けやすいでしょう。
参照元:厚生労働省「外国人雇用管理アドバイザー」(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/koyoukanri/)
登録支援機関は、特定技能1号外国人が日本で安定して働けるよう支援計画の作成と実施を行う機関です。受入れ企業は外国人労働者の職場や生活の支援を行う義務がありますが、専門知識が必要な場合も多いため、登録支援機関が委託されて支援を代行します。登録支援機関には、業界団体、社労士、民間法人、行政書士などが含まれ、支援計画の作成が可能な個人や団体も登録できます。
参照元:外務省「登録支援機関について」(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/ssw/jp/registration/)
外国人労働者は、仕事と生活をどちらも充実させるワークライフバランスを重視しています。外国人にとっては就労ビザ、家族のビザ、住居確保、生活インフラなどについてサポートが必要ですので、必要に応じて外国人材に対する行政相談などを活用しながら外国人労働者をフォローすることが大切です。経営者や日本人マネージャーは外国人が必要とするサポート内容をしっかりと理解しておきましょう。