外国人材(技能実習生や特定技能外国人)が怪我や病気になった時、どうすればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは外国人材が怪我・病気となってしまった時の対処法を紹介します。いざという時のためにもきちんと確認しておきましょう。
外国人材でも加入できる保険があるため、加入している保険次第で怪我や病気時の対応は異なりますが、いずれにせよ外国人材が初めて病院に足を運ぶ際には、労災以外の場合であっても同行してあげることが望ましい対応です。
労災であれそれ以外であれ、初回は同行するようにしましょう。1号特定技能外国人の受け入れで義務付けられている支援計画の1つに「生活オリエンテーション」があり、災害時の対応や公共機関の利用についての支援が求められていることもあります。
虫歯など就労とは関係ない場合は労働者の責任となるため、基本的には付き添う必要はありません。ただし、外国人材が一人で病院に足を運ぶことが困難な場合や言語の問題などを解消するため、付き添いを求められることもあります。プライベートの同行に関しては、病状には一切関与していない点や本人の希望で同行していることを申請書で事実として記録しておくと、トラブルへの対処ができるでしょう。
外国人材でも保険への加入は可能です。健康保険や厚生年金保険など、社会保険への加入は国籍を問わずに労働者の権利です。ただし技能実習生や特定技能外国人の場合、加入できない労働者もいます。
また、どちらか一方だけへの加入はできません。加入するのであれば健康保険・厚生年金保険の両方に加入するか、あるいは加入しないか、どちらかです。民間の保険であれば外国人材でも条件を満たすことで加入できるものもあります。いずれにせよ「外国人材だから保険に入れない」ことはなく、保険への加入を検討している際は、加入できる保険がないかをチェックしたり、ハローワーク等で相談してみましょう。
外国人材が病院に行く時には下記が必要です。
病院における医療行為は、国籍を問わずに保険証の提示と診察料が必要になります。
外国人材が初めて病院に足を運ぶ際の診察の流れとしては下記の流れとなります。
この時、診断書が必要な場合は診断書が必要だと伝えておきましょう。
基本的な流れは国籍を問わないものですが、外国人材の場合、身分証明書はパスポート等になる点が日本人の初診時との違いです。
外国人材に、労災が発生してしまった場合の対応方法についても紹介しますが、基本的な対応は日本人とほぼ同じです。この点に関しては国籍による違いはありません。
労災保険法施行規則第11条第1項の規定により、都道府県労働局長が指定する病院又は診療所労災を労災指定病院と定めており、労災が発生した際には労災指定病院での診療となります。また、療養の際に給付請求書が必要になります。業務災害の場合は療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)、通勤災害の場合は療養給付たる療養の給付請求書(様式16号の3)で、いずれも下記のサイトからダウンロードが可能なので、必要なテンプレートをダウンロードして記入するだけで、請求書の作成が可能です。
労災の発生後は、労働基準監督署に状況報告となる「労働死傷病報告」を事故現場を管轄する労働基準監督署に提出します。提出期限は労働者の状況によって異なります。
会社所在地ではなく労災発生現場の住所となる点に気を付けましょう。
労災保険の給付申請は、原則として被災した労働者が行いますが、日本人労働者による労災でも、企業が代行して申請を行うケースが一般的です。外国人材の場合、言語の問題もあるため、書類作成から申請の手続きまで日本人スタッフがサポートすることが好ましいです。労災に限らず、行政に提出する書類はミスがあると認可されないので注意しましょう。
外国人材が怪我をしてしまった場合、労災の申請を行いますが基本的な流れは日本人労働者の労災と変わりません。ただし、労働者本人となる外国人材は言葉の壁、異文化への適合などの問題を抱えていますので、できる限り日本人スタッフがサポートしてあげましょう。