共に業界の未来を担う外国人介護人材メディア『ケア・いろ』 » 外国人介護人材の受け入れに関するトピック » 外国人介護士を受け入れる際の問題点とは?

外国人介護士を受け入れる際の問題点とは?

当ページでは、日本における外国人介護士の受け入れの現状、受け入れにおける問題点、受け入れの際の注意点などを解説しています。

施設側は、利用者や在職中の日本人スタッフへ外国人介護士の受け入れに関する理解を促すとともに、来日する外国人介護士のための環境整備を行う必要があります。

外国人介護人材の受け入れの現状

厚生労働省がまとめた資料では、令和3年度10月時点での外国人労働者の総数は1,727,221人、令和4年度の同時期では1,822,725人、令和5年度の同時期では2,048,675人とされています。日本における外国人労働者人口は、年々着実に増加している状況です。

これら外国人労働者のうち、介護業界が属する「医療・福祉」分野の占める割合は、令和5年度が4.4%。一見、少ない割合に見えますが、業界別では6位という位置づけとなります。

参照:・厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和5年10月末時点)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001195787.pdf

参照:・厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和4年10月末現在)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001044543.pdf

外国人介護士の受け入れにおける問題点

外国人介護士の受け入れにおける主な問題点を3点ほど見てみましょう。

言葉の壁

介護は、介護スキルに加えてコミュニケーション能力も求められる仕事。現場では、利用者やスタッフの大半が日本人なので、外国人介護士がコミュニケーションを取るためには、一定の日本語力が必要となります。

この「言葉の壁」が、外国人介護士の雇用にあたり最も大きな課題になるのではないでしょうか?

外国人介護士の「言葉の壁」に関し、実際に外国人介護士を雇用している施設の担当者の声をご紹介します。

「社会福祉法人 平成福祉会」中村さん

(質問)外国人介護士の受入れを行うにあたって、最も重視すべきことは何だと思いますか?

やっぱり日本語ですね。生活する上ではもちろん、日本で仕事を続ける上で必要な介護福祉士資格を取得するためにも欠かせないので。

(質問)介護福祉士の資格取得に向けては、どのように取り組んでいましたか?

まず、日本語の勉強は来日後すぐに始めてもらいました。最初の1年はとにかく日本語を身に着けることを重視。それから介護福祉士の教材を使ったり、オンライン授業をお願いしたりして業務時間外の学習を促していた形です。

「社会福祉法人 福祉楽団」上野さん

(質問)予想してなかったような課題は出たりしましたか?

うーん。あまり「外国人だから」「日本人だから」って線引きをすることはないんです。外国人の職員がミスをしたとしても、日本人の職員がやったとしても予想はできていないので一緒かなって思います。

あとは何かしら問題が起きたとき、そういう時には日本語だけだと難しいので、通訳を交えたりしながらやっていました。なので結局は日本語の問題だけだと思いますね。

(質問)日本語能力の向上については何か取り組みをされていらっしゃいますか?

日本語はやはり伝わらないことの方が多いので、「ZENKEN NIHONGO 介護」という日本語教育プログラムを2023年1月から導入しています。これは動画での受講生の学習の進捗状況を一目で把握できるので、とても助かっています。

「社会福祉法人 五霞愛隣会」小林さん

(質問)外国人の雇用にあたって、重視すべきことは何だと思いますか?

日本語の理解力ですね。日々のコミュニケーションにおいてももちろんですが、利用者の方が怪我や転倒、発熱したときなど、自分で対応する必要がある場面は多々あります。

ある意味命を預かっている仕事でもあるので、どこまで日本語が理解できるのかをやはり大切にしたいですね。

(質問)働き始めて間もない時は、どのように仕事をサポートしていたのでしょうか?

まずは、基本的な日本語と介護で使う言葉の勉強、介護技術の練習が中心でした。(中略)まだ日本語がそれほど理解できないうちは、夜勤や遅番のシフトは入れないようにして、必ず日本人が隣にいる状況を作るような体制にしていましたね。

いずれの施設の担当者も、外国人介護士の雇用に際しては「言葉の壁」を大きな課題ととらえ、何らかの具体的な対策を講じていることが分かります。

日本人スタッフや利用者が抱く外国人介護士への違和感

日本人スタッフや利用者、また利用者の家族の中には、言葉も文化も異なる外国人が介護業務へ携わることに対し、何らかの違和感を抱く人もいます。

施設においては、事前に関係者へ外国人介護士の雇用に関する意図、および、受け入れのための十分な準備を行うことを説明し、理解を求める必要があるかもしれません。

在留期間のルール

介護職員として就業できる外国人の在留資格制度には、「EPA」「介護」「特定技能」「技能実習」の4種類がありますが、これらのうち「介護」以外の外国人介護士には、在留期間に制限があります。

長く施設で働いてもらいたい場合には、在留期間延長の要件を満たしたり、早めに「介護」の資格を取得したりするよう施設は支援しなければなりません。

外国人介護士を受け入れる際の注意点

言葉を十分に理解できない異国の地で、コミュニケーション能力が重視される仕事に就く外国人介護士たちは、日々大きなプレッシャーやストレスと戦っています。このプレッシャーやストレスの中で、介護技術だけではなく、日本語や机上学習も並行しなければなりません。まずは、日本人スタッフ全員が彼ら、彼女らの置かれている状況をよく理解する必要があります。

施設側においては、来日初期段階の外国人介護士とのコミュニケーション方法、日本語の教育環境、外国人介護士にも理解できる業務マニュアルの作成、外国人介護士の受け入れに関する日本人スタッフへの理解の促進などを中心に、少しでも外国人介護士たちにとって居心地の良い職場環境を構築するよう努めましょう。

【まとめ】言葉の壁を克服すれば道は大きく開ける

外国人介護士を受け入れる際の問題点は多々想定されますが、最大の問題点は、やはり言葉の壁。ご紹介した施設担当者の声も踏まえてやや極論すれば、言葉の壁さえ克服できれば多くの問題は解決する、と言えるかもしれません。施設側においては、いかにして外国人介護士へ効率的に日本語を習得させるかを考えるべきでしょう。

当サイトでは、外国人介護士の受け入れや教育に関する多くのノウハウをご紹介しています。外国人介護士の採用を検討している事業主の方のお役に立てれば幸いです。