外国人介護職員のリクルート方法として、留学生や特定技能1号外国人を受け入れ・支援して、介護福祉士の資格取得をサポートする方法があります。候補者と施設とのマッチングの方法や、公的支援事業をご紹介します。
深刻な人材不足が続く介護関連の、有効求人倍率はおよそ4倍。政府による外国人材の受け入れ促進を追い風に、外国人介護職員は増え続けてはいるものの、在留資格「介護」を持つ外国人介護士は2019年末時点で592人と、まだ少ないのが実情です。
また、この在留資格を得るには、介護施設との雇用契約が必要です。つまり、在留資格「介護」の外国人をリクルートするということは、ほかの介護施設からの転職者を受け入れるということ。在留資格「介護」の外国人を専門に扱うマッチング機関はなく、獲得は容易ではありません。
そこで考えたいのが、介護福祉士養成校の学生に奨学金を給付・アルバイトとして受け入れたり、特定技能1号の外国人を受け入れたりして、働きながら国家資格取得を支援する方法です。
留学生や特定技能1号を受け入れるには、現地の日本語学校などで説明会を実施し、希望者を選考する必要があります。また選考後は、渡航と在留資格の申請、学校の手続きなどが発生します。
そのため、説明会・マッチングから入職までを、一貫してサポートしてくれるマッチング支援団体や外国人介護人材紹介会社を利用するのが一般的です。
厚生労働省や自治体による留学生マッチング支援事業なども行われており、各都道府県の公式サイトなどで内容を確認できます。
留学するには来日後の経済支弁能力の証明が必要ですし、経済的な後ろ盾があることは、留学生にとって大きな安心材料です。そのため、日本語学校と介護福祉士養成校の学費を賄うための奨学金(給付・貸付)を用意することで、留学希望者を集めやすくなります。
奨学金については、自治体や社会福祉協議会の「介護福祉士等修学資金貸付制度」といった支援制度が利用できる場合もあります。
経済的に困窮して学校を辞めざるを得なかったり、生活に追われて勉学が疎かになったりといった状況を避けるための経済的バックアップの提供によって、マッチングの成約率が上げられます。
厚生労働省の「外国人留学生及び特定技能1号外国人のマッチング支援事業」は、マッチング支援団体の経費を助成するというもの。これによって、留学生や特定技能1号外国人の受け入れを希望する施設の負担も軽減することができます。
各自治体も、マッチング支援事業を展開しています。
例えば千葉県では、留学生等の母国の日本語学校や、県内の日本語学校又は介護福祉士養成施設の学生(千葉県内で介護職として就労を希望すること)、外国人介護職員の受け入れを希望する介護施設、県内日本語学校及び介護福祉士養成施設、という三者のマッチングを行っています(実際の業務はマッチング機関に委託)。
介護施設側には「外国人を雇用したことがない」「特定技能制度が理解しきれていない」といった不安があり、外国人側には「応募方法がわからない」といった不安があるため、双方のマッチングには支援事業が欠かせないものになっています。
「外国人介護従事者受け入れ環境整備等事業」は、外国人介護職員が円滑に就労・定着するために介護施設が行う取組に対して、自治体が支援を行うものです。自治体によって内容に多少の差異があり、神奈川県や大阪府では以下のような取組に対して支援を行っています。
外国人介護人材に活躍してもらうためには、マッチングから採用の流れを整え、戦力化まで導くことが大切です。戦力化までスムーズに導くためには、事前の受け入れ準備がポイントになります。
以下のページでは、外国人介護人材の受け入れに関するトピックをまとめています。受け入れ準備を万全にするために参考にしてください。
人材不足が顕著な介護業界では、外国人の戦力化が欠かせません。外国人介護人材の受け入れは、国も力を入れている重要キーワードです。戦力化まで見据えた受け入れ体制を構築しておきましょう。
このサイトは、外国人介護人材の受け入れ・戦力化についてのメディアです。マッチングから戦力化までをスムーズにするため、ぜひ参考にしてください。