日本の介護業界では現在、多くの外国人が活躍しています。なかでもフィリピン人の介護士は人気だといわれています。そんなフィリピン人の人口や宗教、介護との親和性について解説しています。
海外人材が日本で働く際は、在留資格が必要です。介護分野での在留資格は、以下の通り4種類あります。
最初に開始された在留資格は、2008年にスタートした特定活動「EPA介護福祉士」です。2016年に在留資格「介護」がはじまりました。在留資格「介護」は、国家資格「介護福祉士」が条件です。また、2017年には技能実習「介護」が加わり、2019年から日本の人材不足解消を目的として、特定技能「介護」が創設されました。
フィリピン人の在留資格もこの4種類のどれかです。在留資格によって受け入れる際の流れが異なります。
4種類の在留資格について、以下のページで解説しています。ご参照ください。
外国人介護人材の4つの在留資格を解説DMWとは、「Department of Migrant Workers」の略称で、海外で働くフィリピン人の権利保護や福利厚生の促進などを目的に設立されたフィリピンの政府機関です。2022年にPOLOやPOEAを含む7つの省庁や組織がDMWに一本化されました。
フィリピン人材にOEC(海外雇用許可証)を取得してもらうために、DMWへの申請が必要です。フィリピン人はOECがないと海外で働くことができません。雇用主の情報をDMWに登録する必要があるので、注意してください。
人前で叱ることがマナー違反であるのは、日本人に対しても同じですが、特にフィリピン人は、プライドが高い傾向があるため、人前で怒られることを嫌います。フィリピン人は、個人の尊厳と名誉を大切にするという価値観が強いため、他人の前で怒られると尊厳を傷つけられたと感じてしまいます。フィリピンの文化は「ほめて伸ばす」ことを重んじているため、怒ることは一般的ではありません。他人に怒られることに慣れていないため、注意が必要なときは、強く叱るのではなく、丁寧に教えるようにしてください。
フィリピンの時間感覚は、日本とは大きく異なります。時間に追われることなくゆっくりと過ごすことを大切にする価値観を持っています。待ち合わせの時間に1時間程度の遅れはよくあることです。「フィリピンタイム」と呼ばれており、フィリピン人にとっては遅刻とは感じません。待ち合わせをする際は、30分~1時間早めに設定しておきましょう。「待ち合わせ場所に今向かっている」という連絡が来ても、実際はまだ家で準備をしていることが少なくありません。連絡内容に左右されないように気をつけてください。
時間に対する柔軟性を大切にする傾向があるため、細かい計画や管理が苦手です。きっちりと計画を立てて仕事に取り組むことが一般的ではありません。その場その場を柔軟に対処していくため、ひとつのことに一生懸命に取り組むことが得意です。マルチタスクは苦手なため、一度に色々な仕事を振るのではなく、ひとつずつ振るようにしましょう。
日本では給料日は月に1回のところが多いですが、フィリピンでは、給料日が月に2回あります。あるだけ使ってしまう傾向があるため、月1回の給料だとすぐにお金が無くなって困るかもしれません。事前に注意喚起が必要です。また、フィリピンでは10日締めの15日払いなどということがよくあります。日本は月末締めの翌月末払いなど、締め日から支払いまでのスパンが長いため、この点も十分説明する必要があります。
その他、外国人材の受け入れについてまとめていますので、参考にしてください。
フィリピン人材の受け入れの流れは、在留資格によって異なります。
フィリピン人材を受け入れる流れの一例として、EPA就学コースを紹介します。
JICWELSに求人登録申請を行います。JICWELSが求人申請を行った受入れ希望機関の要件確認を行います。
求人登録された受入れ希望機関は、JICWELSと職業紹介契約と受入れ支援契約を締結します。
JICWELSが求人登録された受入れ希望機関の求人情報を送り出し調整機関に提供します。送り出し調整機関が就労希望者の募集・審査・選考を行います。
JICWELSが送り出し調整機関が選考した就労希望者の面接を行います。希望する受入れ希望機関には、就労希望者に直接仕事内容や労働条件の説明を行う現地合同説明会に参加することが可能です。
マッチングが成立したら、雇用契約を締結します。
日本語研修期間が訪日前・訪日後に候補者に対して日本語研修を実施します。JICWELSが訪日後の研修期間中に介護導入研修を実施します。
特定活動として、介護福祉士の国家試験合格を目指し、研修を受けます。ただし、就学コースはほとんど受入れ実績がありません。介護施設で働きながら合格を目指すことになります。
海外人材を受け入れる際は、日本語でのコミュニケーションに不安を感じるのではないでしょうか。以下のページでは、日本語教育プログラムについて紹介していますので、参考にしてください。
当サイトでは、外国人介護人材を受け入れ、経営を改善していくための情報を紹介しています。ご参照ください。