今後ますます介護従事者が不足すると予想されている我が国では、外国人介護人材の受け入れを行っています。しかしそこには様々な課題があり、そのうちのひとつが外国人介護人材の定着についてです。ここでは外国人介護人材の定着に必要なことや、今後の採用について解説します。


介護分野において、離職率の高さは看過できない課題です。全産業平均の離職率はおおよそ15.0%です。一方で、介護職員(2職種計)の離職率も近年改善傾向にあるものの、14〜16%台で推移しています。また、事業所別にみると、離職率30%以上の事業所が全体の約2割に上るなど、非常にばらつきの大きい状況が見られます。さらに、規模別でみると、小規模の事業所ほど離職率が高くなる傾向が確認されています。離職が多い現場では、採用・教育へのコストがかさみ、人材の定着が困難になり、外国人介護人材を含めた多様な人材確保・育成の取り組みにも大きな壁となります。早期離職を防ぎ、職場環境を整備して定着を促すことは、質の高い介護サービスを維持・向上させるために必要不可欠です。
外国人介護人材が定着しにくい一因に、日本語能力と業務習熟度のギャップがあります。求められる日本語レベルと実際のスキルが合わず、専門用語や微妙なニュアンスの理解不足からコミュニケーショエラーが発生して、記録や申し送りがスムーズにできず、業務上のストレスが積み重なることが大きな課題です。
外国人介護人材は、生活・文化の違いから孤立しやすい傾向があります。日本の生活習慣への適応が難しく、宗教や食文化への配慮不足や周囲の無理解に直面しがちです。相談相手が少ないことで孤独感を抱きやすく、定着の妨げとなることがあります。
外国人介護人材は、職場内の人間関係や差別・ハラスメントが定着の障害になることがあります。日本人職員とのコミュニケーション不足や文化の違いによる誤解、外国人であることを理由とした不公平な業務分担や差別的言動が発生するなどです。ハラスメント対応窓口が機能しない場合、安心して働けず離職につながります。
昇給・昇進の基準が不明確で日本人との差を感じやすく、給与水準が母国での期待や来日コストに見合わない場合もあります。介護福祉士など資格取得支援が不十分で将来像が描きにくいことも離職につながります。
在留資格制度や監理体制が原因で離職することがあります。技能実習や特定技能制度では転職の自由度が低く、監理団体への不信感が生じやすいです。契約期間終了後のビザ切り替えに関する情報不足や不安も、安心して働けない要因となります。
外国人介護福祉士が日本で就労するには在留資格が必要です。制度ごとに要件が定められており、就労できる介護サービスや業務に関する制限などが異なります。また、採用した外国人介護福祉士から不満が出ることも少なくありません。
ここでは外国人介護福祉士の制度による待遇の違いや、不満が出た場合の対策について解説します。
深刻な人手不足に悩まされる介護業界。外国人介護福祉士は、今後ますます貴重な戦力となると考えられます。介護サービスの質の維持・向上、そして外国人介護福祉士に長く活躍してもらうためには、採用後のキャリア支援が重要です。
ここでは外国人介護福祉士のキャリア展望に加え、キャリア支援に必要なポイントについて解説しています。
外国人が日本で介護福祉士として就労するにあたって、様々な課題があります。そのうちのひとつが文化の違いです。日本と外国ではルールやマナーをはじめ、物事の考え方や価値観が大きく異なることが少なくありません。業務や人間関係を円滑にするためには、異文化理解が重要です。
ここでは、異文化理解や受け入れ主要国の介護観などについて解説しています。
外国人介護福祉士を受け入れるにあたって、事業所や現場で働く日本人職員には様々な配慮が求められます。ただし外国人介護福祉士への配慮ばかりを意識すると、扱いの違いから日本人職員に不公平感を抱かせてしまいかねません。外国人介護福祉士と日本人職員、双方に対して公平であることが重要です。
ここでは日本人が不公平感を抱く理由とその対策について解説しています。
外国人介護福祉士には、常に帰国の可能性があります。予期せぬタイミングで突如帰国することになってしまったなどの問題も起こり得るでしょう。そうしたリスクを避け、日本で長く活躍してもらうためにも、外国人介護福祉士の帰国について知っておく必要があります。
ここでは外国人介護福祉士が帰国する2つのケースと注意点についてまとめました。
少子高齢化による人手不足が深刻な問題となっている介護業界。ICT化をはじめとする様々な対策が行われており、そのうちのひとつが外国人介護福祉士の採用です。
令和2年時点では、EPA介護職員は804箇所の施設において3,587人雇用されています。在留資格「介護」を持つ外国人は令和元年末時点で592人、介護福祉士資格の取得を目指している留学生も、令和元年度には2,037人と急増している状況です。しかし今後、外国人介護福祉士の獲得競争はより一層激しくなることが予想されます。
経済産業省のデータによると、介護従事者の不足人数は2025年には32万人、2035年には68万人になると予測されており、需要と供給のギャップからますます人材獲得が困難になると考えられるからです。
こうした状況下で人材を獲得するためには、繋がりによって紹介してもらえる職場作りが欠かせません。外国人介護福祉士だけでなく、日本人職員にとっても働きやすい環境や人間関係構築に取り組みましょう。
参照元HP:高齢者住宅協会【PDF】(https://kosenchin.jp/kosenchinDefault/2_2016_04_04/20160413.pdf)
参照元HP:厚生労働省【PDF】(https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000678250.pdf)
団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年を目前に、「介護DX」導入の動きが広がっている介護業界。要介護者の増加と深刻な人手不足が問題となっている介護業界において、厚生労働省は「持続可能な介護サービス」「サービスの質の維持・向上」を目標にしています。目標の達成には、介護DXが欠かせません。
ここでは介護DXの必要性やメリット、具体例について解説しています。