共に業界の未来を担う外国人介護人材メディア『ケア・いろ』 » 外国人労働者へのワークライフサポートの重要性 » 外国人労働者が加入できる保険の種類 » 外国人労働者と労災保険

外国人労働者と労災保険

日本では労働者を1人でも雇用する事業は労災保険の適用事業となり、必ず労働者を労災保険へ加入させなければならないと義務化されています。これは日本人に限らず外国人労働者でも全く同じです。外国人労働者の雇用に携わる方は、ぜひ知識を深めておいてください。

外国人介護人材の受け入れ戦力化・定着について詳しく見る>

労災保険とは

労災保険は、日本で働く労働者を対象としており、国籍は関係ありません。被災労働者の保護および労働者の社会復帰促進を目的とした保険です。そのため、正社員・パート・アルバイトを問わず労働者すべてが加入しなければならないもので、外国人材でも加入は義務です。労災保険は、業務中や通勤中に発生した事故や病気に対して、医療費の負担を軽減し、労働者の経済的な不安を和らげる重要な役割を果たしています。

参照元:厚生労働省「労災保険請求のためのガイドブック<第一編>」(【PDF】https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001410185.pdf)

参照元:厚生労働省「労災保険請求のためのガイドブック<第ニ編>」(【PDF】https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001410188.pdf)

療養(補償)等給付

傷病にかかった際に労災保険指定医療機関で診療を受けた場合、療養補償給付が適用され、政府が必要と認める範囲で診療を受けることができます。非指定医療機関で診療を受けた場合でも、政府が認めた療養費用が支払われます。これにより、被災労働者は経済的な負担を軽減し、適切な治療を受けることができます。

障害(補償)等給付

傷病が治癒した際、障害等級に該当する身体障害が残った場合に給付されるものです。障害補償給付は年金として、障害給付は一時金として支払われます。1~7等級は年金、8~14等級は一時金として支払われます。これにより、被災労働者は長期的な経済的支援を受けられます。

介護(補償)等給付

一定の障害によって傷病年金または障害補償年金を受給し、介護を受けている場合に給付されます。常時介護は104,950円、随時介護は52,480円が上限に設定されています。介護が必要な労働者にとって、経済的な支援となり、生活の質を向上させる助けとなるでしょう。

休業(補償)等給付

傷病の療養のために休業し、賃金を受け取ることができない時に給付されます。保険給付金として休業4日目から1日60%、定率定額支給として休業4日目から1日20%が支払われます。これにより、休業中の労働者の生活を支えることができます。

遺族(補償)等給付

労働中に死亡した際、遺族に支払われるものです。遺族補償給付は年金として1年間に153~245日分の保険給付金、遺族給付は1,000日分が一時金として支払われます。特別支給金の場合、300万円が定率定額支給として支払われます。これにより、遺族の経済的な負担を軽減し、生活の安定を図ることができます。

二次健康診断等給付

事業主が行った一時健康診断で異常が見られ、かつ脳血管疾患や心臓疾患の症状がない場合、無料で健康診断・指導を受けることができる二次健康診断が給付されます。これにより、早期発見と予防が促進され、労働者の健康維持に役立ちます。

傷病(補償)等年金

療養開始後、1年6ヶ月が経過しても治癒せずに傷病等級に該当する場合、1~3級の等級に応じて保険金が給付されます。これにより、長期間にわたる治療が必要な労働者の生活を支援します。

葬祭料等(葬祭給付)

労働災害にて死亡した場合、給付基礎日額の30日分に加えて315,000円または60日分の保険給付金が支払われます。これにより、遺族の葬儀費用の負担を軽減します。

社会復帰促進等事業

労働災害による傷病を被った労働者やその遺族が社会復帰するための援護や福祉増進を目的にした事業です。療養施設やリハビリ施設の設置・運営、被災労働者の療養生活や介護の援護、その遺族の就学援護などが含まれます。これにより、被災労働者とその家族の社会復帰と生活支援が図られます。

労災保険は外国人でも加入が必須

繰り返し述べています通り、日本において労働者を雇用する際は労災保険への加入は義務であり、なおかつ労働者が日本人の場合も、外国籍の場合も変りはありません。また外国人の雇用に携わる立場の方はもちろん、外国人労働者本人も、労災保険に加入する際に、在留カードまたは外国人登録証が必要など、様々な知識が必要であるということを認識しておかなければなりません。まずは本サイトでご紹介している内容に、しっかりと目を通しておくことをお勧めします。

万一への備えに、労働者の国籍は関係なし

以上の通り、労災保険は労働者が就労中に万一労働災害に遭ってしまった場合に、各種の補償を受けられるようにするものであり、労働者本人とそのご家族はもちろん、雇用者にとっても不可欠な保険ということになります。そして何より、万一の事態が起きた場合に備えておくことに、日本人であろうが外国籍であろうが、労働者の国籍は関係ありません。外国人労働者の雇用に携わる経営者や日本人マネージャーは、この点をしっかりと、肝に銘じておいてください。

外国人雇用に関する法律と規制>