特定求職者雇用開発助成金は、障害者・高年齢者・母子家庭の母など就職困難者の雇用機会拡大と定着促進を目的としています。コースは5種類。「特定就職困難者コース」「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース」「就職氷河期世代安定雇用実現コース」「生活保護受給者等雇用開発コース」「成長分野等人材確保・育成コース」です。それぞれ対象者と要件が異なります。それぞれのコースを詳しく紹介します。
障害者や高齢者(60歳以上)、母子家庭の母など就職困難者をハローワーク等の紹介により、雇用保険一般被保険者として2年以上継続雇用する事業主に対し、賃金の一部を助成する制度です。有期雇用労働者として雇用する場合は、自動更新のみが支給対象となります。
障害者・60歳以上の高年齢者・母子家庭の母等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介により雇用保険の一般被保険者として2年以上継続雇用する事業主に支給されます。対象労働者は原則65歳未満ですが、重度障害者や精神障害者など一部例外があります。事業主は雇用保険適用者で、過去6カ月間の解雇実績が一定基準以下であることが条件です。短時間労働者(週20~30時間)も対象となります。令和5年度改正で65歳以上も対象に追加されました。ウクライナ避難民を含む多様な層をカバーしています。
対象者の属性・企業規模・労働時間により異なります。
短時間労働者以外の者
| 高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等 | 60万円(中小企業事業主以外:50万円) |
|---|---|
| 重度障害者等を除く身体・知的障害者 | 120万円(中小企業事業主以外:50万円) |
| 重度障害者等 | 240万円(中小企業事業主以外:100万円) |
短時間労働者
| 高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等 | 40万円(中小企業事業主以外:30万円) |
|---|---|
| 重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 | 80万円(中小企業事業主以外:30万円) |
| 重度障害者等 | 240万円(100万円) |
出典:厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html
障害者手帳を持たない発達障害者や難病患者を対象とした雇用支援制度です。ハローワーク等の紹介により、65歳未満の対象者を2年以上継続雇用する事業主に対して支給されます。雇用管理の報告必要なことに注意が必要です。
障害者手帳を持たない発達障害者または指定難病患者を65歳未満で雇用することが基本条件です。ハローワークや職業紹介事業者の紹介により対象者を雇用保険の一般被保険者として雇い入れ、65歳まで2年以上の継続雇用が確実であることが必須となります。雇用期間中は出勤状況や賃金支払いの記録を整備し、労働局へ配慮事項を報告しなければいけません。過去6カ月間に事業所都合の解雇実績がないこと、内定者や過去3年間の職場適応訓練経験者を除くことも要件です。
対象労働者の類型と企業規模に応じて1人あたり下表の額が支給されます。
短時間労働者以外の者
| 中小企業 | 120万円 |
|---|---|
| 中小企業以外 | 50万円 |
短時間労働者
| 中小企業 | 80万円 |
|---|---|
| 中小企業以外 | 30万円 |
出典:厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/hattatsu_nanchi.html
1993~2005年の雇用氷河期に正規雇用機会を逃した35~55歳の世代を対象とした支援制度です。ハローワーク等の紹介により正規雇用で採用した事業主に対し助成を行います。対象者は過去5年間の正規雇用期間が1年以下で、週30時間以上の労働が条件です。
対象者は、1968年4月2日~1988年4月1日生まれの35~55歳。過去5年間の正規雇用期間が1年以下で、過去1年間に正規雇用経験がないことが条件となります。ただし、事業主都合の解雇は除きます。ハローワーク等の紹介時点で失業中または非正規労働者であり、就労支援を受けた上で正規雇用を希望していることが必須です。週30時間以上の無期契約で、通常従業員と同等の労働条件が適用される正規雇用である必要があります。事業主の要件は雇用保険適用事業所であり、過去6カ月間の解雇実績が被保険者数の6%以下(3名以下は除外)です。
対象期間を6ヵ月ごとに区分し、一定額を支給します。支給額は企業規模に応じて1人あたり下表のとおりです。
| 大企業 | 25万円×2回 |
|---|---|
| 中小企業 | 30万円×2回 |
出典:厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158169_00001.html
生活保護受給者や自立支援計画対象の生活困窮者の雇用促進・安定を目的とした助成金です。ハローワーク等の紹介により65歳未満の対象者を雇用保険一般被保険者として2年以上継続雇用する事業主に対し助成します。週20~30時間の労働者も対象です。
生活保護受給者や自治体の自立支援計画対象の生活困窮者を65歳未満で雇用することが基本条件です。対象者はハローワーク等から紹介され、3カ月超の就労支援を受けていることが必須となります。内定者や過去3年間の職場適応訓練経験者は対象外です。事業主は雇用保険適用事業所であり、過去6カ月間に被保険者を事業主都合で解雇していないことと、対象者を雇用保険一般被保険者として2年以上継続雇用していることが求められます。週20~30時間の短時間労働者も対象です。出勤・賃金記録の整備が求められ、労働局への報告義務があります。
対象労働者の類型と企業規模に応じて1人あたり下表の支給額のとおりです。
| 短時間労働者以外の者 | 60万円 (中小企業事業主以外:50万円) |
|---|---|
| 短時間労働者 | 40万円(中小企業事業主以外:30万円) |
出典:厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_seikatsu.html
デジタル・グリーン分野などの成長産業で障害者・高年齢者・就職氷河期世代等の就職困難者を雇用促進する制度です。ハローワーク等の紹介で未経験職種に従事させる事業主に対し、通常の1.5倍の助成金を支給します。
デジタル・グリーン分野の専門業務に未経験者を従事させることが核心です。対象労働者は障害者・60歳以上・母子家庭の母・就職氷河期世代等で、パート歴は除き過去5年間に通算1年以上の就労経験がない者となります。事業主はハローワーク等の紹介により雇用し、主たる業務が成長分野の専門的業務(例:ソフト開発、脱炭素研究)に該当する必要があります。雇用形態は無期契約または自動更新可能な有期契約限定です。週20~30時間の短時間労働者も対象になります。加えて、雇用管理改善や50時間以上の職業訓練を実施し、実施内容を報告書で提出することが必須です。
短時間労働者以外の者
| 高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等、就職氷河期世代の者 生活保護受給者等 | 90万円 (中小企業事業主以外:75万円) |
|---|---|
| 身体・知的障害者、発達障害者、難治性疾患患者 | 180万円(中小企業事業主以外:75万円) |
| 重度障害者等 | 360万円(中小企業事業主以外:150万円) |
短時間労働者
| 高年齢者(60歳以上)、母子家庭の母等、就職氷河期世代の者 生活保護受給者等 | 60万円 (中小企業事業主以外:45万円) |
|---|---|
| 障害者、発達障害者、難治性疾患患者 | 120万円(中小企業事業主以外:45万円) |
出典:厚生労働省|特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_seichou_00008.html
特定求職者雇用開発助成金は、原則としてハローワーク等の紹介を通じて新規に雇用する労働者が対象で、外国人介護人材が該当しない場合があります。支給要件の一つに「過去5年間に通算1年以上の未就労期間があること」が挙げられ、技能実習生や特定技能第1号で既に来日経験のある人材は、実習期間が就労扱いとなるため未就労期間の条件を満たさない可能性が高いです。特に介護分野の技能実習生は、実習期間中の就労が「在留資格に基づく活動」と見なされ、未就労期間に含まれないため、制度の対象外となります。ただし、新たに来日した外国人や、過去の在留資格が就労とみなされない場合は例外となる可能性があります。
特定求職者雇用開発助成金は、障害者・高年齢者・就職氷河期世代など「就職困難者」の雇用促進を目的とした制度ですが、外国人介護人材の活用を検討する際は対象外となるケースが多い点に注意が必要です。制度利用前にハローワークや自治体と要件を慎重に確認するようにしましょう。
以下のページでは、介護士採用時に活用できる補助金・助成金を一覧でまとめています。あわせて参考にしてみてください。